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■プレゼンルーム |
●第16回 夕学の会 ●第15回 夕学の会 ●親睦会 ●第12回 夕学の会 ●第11回 夕学の会 ●第10回 夕学の会 ●第9回 夕学の会 ●第8回 夕学の会 ●第7回 夕学の会 ●2004年活動内容 |
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第13回 夕学(せきがく)の会 9月28日(水) |
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今回は、日本ハム鰍ナ「スイフトローフ」「シャウエッセン」「超うすぎりハム」等数々の大ヒット商品を開発し、現在は日本マーケティング協会 マイスターの専任講師もされている田中還次氏に、特別公演をお願いしました。 田中氏は昭和40年に日本ハムに入社、一貫してハム、ソーセージ部門の技術、新製品開発等を担当し、営業政策についても25年間の実績があります。 今回の特別公演は、10月13日(木)から開催する、大阪スローフード協会主催「成功商品開発フォーラム(関西初開催・全10回)」に向けて、紹介も兼ねてその一部をお話いただきました。 |
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■ 成功商品とは、どのような商品のことでしょうか。 10年間売れ続けないと、成功商品とは言えません。ウィニーは発売から30年、シャウエッセンは20年経っています。当時、シャウエッセンは通常価格の約2倍の値段をつけたので、スーパーに営業に行っても「こんな高いものが売れる訳がない」と相手にされませんでした。おいしいが、確かに安くはない。だから、2袋セットにして298円と、少しお得感を出したりしました。「超うすぎりハム」は、それまで1枚2.5グラムだったのを0.8グラムにして、その分枚数を多くしたのですが、これが爆発的に売れました。シャウエッセンもウィニーも、おいしいだけでなく、普段のお弁当やサラダにぴったりです。価値のあるもの、家庭で役立つものは、高くても売れるのです。 |
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■ 消費者と顧客は、どう違うのでしょうか。 顧客というのは、単なる消費者とは違います。消費者は市場全体の購入者を指しますが、その中でも目的があってその商品を選ぶ人を顧客と言います。顧客とはつまり、ある特定のブランド商品を好んで持続的に購入する"贔屓客"のことなのです。"贔屓"という字は、貝が4つも入っています。貝は古くからの宝物ですから、贔屓客は宝である、ということです。 そして、次のステップは、ブランドや商品に対しての信者をつくること。信者というのは儲かるという字になりますね。信者、ファンを増やすことは儲かることになるのです。そんな顧客でも、商品に対する不満があればすぐに買わなくなります。購買前の"期待"の評価と、購買後の"結果"の評価で、次の購買行動が決まるのです。 |
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一番大切なのは、「企業が顧客を満足させること」という意識で物をつくるのではなく、あくまでも「顧客が満足すること」は何か、なのです。それには、顧客の満足が最大限になるように、経営トップから従業員まで企業の総力を結集してサービスを提供することです。そのサービスとは?・・・そのあたりはフォーラムでゆっくりお話いたします。 * 最後の質問コーナーでは、3年前の一件について、どうやって従業員のモチベーションを高めたのか、という質問がありました。 |
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■ 3年前の当時、日本ハムの商品がスーパーから撤去され、出荷しても商品がそのまま工場に返品されてきました。商品はどこも悪くないのに、です。社員はそれを全て開封して、ごみ焼却所に送る作業を毎日毎日していました。そういう状態が3ヶ月続いたのです。日本ハムはこの一件を機に、徹底したコンプライアンス(社員に対して倫理や道義、法令などの社会的規範を守らせること)に取り組みました。 そのほか、パソコンに掲示板を設け、社員が思っていることを何でも書けるようにしたり、工場ごとに社員全員の写真を撮り、メールで各工場に送ったりしました。そうすると、次第に団結力が増してきたのです。 今では会社も回復してきましたが、まだ完全な回復はできていません。完全に回復するまでは10年はかかると思います。 |
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