『丁寧なお茶作り』
株式会社つぼ市製茶本舗 谷本 順一さん
堺で150年続く、株式会社つぼ市製茶本舗・茶鑑定士六段の谷本順一専務より静岡掛川産特別栽培茶の紹介です。
「お茶は他の作物と違い、永年作物です。無農薬にこしたことはないのですが、永年同じ木で栽培、収穫しようと思うと、生産者に多大な負担がかかってしまう上に、茶葉の質も落ち、生産量も少なくなってお茶の値段が上がってしまいます。つぼ市製茶本舗では、生産者や加工者の労働環境をより良いものにし、働く人にやさしく、長くお茶作りに取り組んでもらいたい、できるだけ安い値段でおいしいお茶を多くの人に飲んでもらいたい、との思いから、質の高い、いいお茶作りに取り組んでいます。いいお茶を作るためには消費者の安全はもちろんのこと、生産者や加工者の生活の安定も確保し、やりがいを感じてお茶作りに励んでもらえるように配慮することで、おいしいお茶を皆様のお手元に届けたいと願っています。」
谷本専務自ら、おいしいお茶の入れ方を伝授していただきました。重要なのは、茶葉の量、お湯の量、お湯の温度。茶葉の量は25ccに1gが適量とのこと。参加者を代表して八名の方に、8gの茶葉で200cc(湯飲み二杯程度)のお茶を入れていただきました。普段入れるお茶より茶葉が多いと感じた方が多かったようですが、甘みと渋みが絶妙のバランスでおいしいお茶が入りました。お湯の温度は80℃くらいが適温だそうですが、甘く出すなら60℃。また、水でも十分おいしいお茶が出るとのことです。均等に注ぎ分け、最後まで絞り切ることが、二煎目もおいしくいただくコツだそうです。
つぼ市製茶本舗は烏龍茶を初めて日本に入れた老舗の会社。お茶のスペシャリストのお話と、おいしいお茶で、身近ゆえにじっくりと味わう機会の少ないお茶を改めて見直すきっかけになったのではないでしょうか。
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