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Osaka Slow Food Association
タイトル(コラム)
程さんイラスト 程さん流スローフード vol.2

おいしい塩のはなし
塩にまでこだわってこそ本物

 

 スローフードの原点は、体にやさしい食材と調味料そして料理です。
野菜、魚介、肉の食材にこだわるが、調味料まで気を配る人は意外に少ないようです。今回は調理に欠かせない塩を考えましょう。

 最近、専売の塩が自由化されてから、塩の売り場にはいろいろな種類が並ぶようになり、値段も幅広く、選ぶのに迷います。
北は宗谷の塩から、伊豆大島、能登半島、瀬戸内海、南は宮古島までの日本産と中国、ハワイ、グァム、西欧諸国など外国産まで驚くほどの塩が売られています。

 塩は海水から作る海水塩と、岩塩と呼ばれる陸の塩の二種類があります。適度のニガリ成分を含む海水塩が、高純度の岩塩よりもベターです。色の付いた不純物の多い岩塩は論外です。もとの日本専売公社、今の塩事業センターの食卓塩、クッキングソルト、精製塩、食塩などは外国の岩塩と同じくニガリ成分が1%以下の高純度の塩ですから調理に不向きです。これらの塩で漬物や貝の砂出しはできません。棚にクッキングソルトの箱や一部のフランスやイタリア料理店の卓上に岩塩のミール器を置いているのは料理人が不勉強の証です。

 おいしい塩は値段やパッケージに惑わされないで成分表示の塩化ナトリウム(塩の成分)が95%がベストです。噴飯するキャッチコピーの塩はTギネス公認世界一ニガリの多い塩Uがありました。過度のニガリは料理の味を悪くします。飽食の時代、玉石混合の調味料の中から正しい塩を選択する努力が大事です。

料理研究家
程 一彦(てい・かずひこ)
昭和12年、大阪市生まれ。
関西学院大学卒業後、台湾・香港で料理修行をし、
家業の台湾料理店「リュータン」のオーナーシェフ。
 
       
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